御詠歌 昔より 立つとも知らぬ 今宮に 参る心は 浄土なるらん
秩父の目抜き通りから坂を下ると、大きな欅のたもとに三間四面の立派な観音堂がある。
今宮坊は、かつては修験道の本山として有名な聖護院の直末寺で、長岳山正覚院金剛寺といった。
橋立堂(現二十八番)や神戸山長生院(現十八番)は金剛寺の末寺で、修験道の道場であった。
現在の観音堂は、宝永6年(1709年)に再建されたもの。

今宮坊と今宮神社
江戸時代、ここ今宮坊が別当として当観音堂と八大権現社(現今宮神社)を管理していたが、
明治初年の神仏分離令と修験道廃止によって、今宮神社は分離された。
今宮坊は、現在は臨済宗南禅寺派の寺院であり、
納経(御朱印)は観音堂の脇の納経所でいただける。
近隣の住民の崇敬が篤く、箒を片手にお参りをする姿を目にします。
輪廻塔
観音堂の手前に秩父札所唯一の輪廻塔がある。
お経が刻まれた円盤を廻すと、生者は最高の幸せが約束され、
亡者は地獄から浄土に生まれ変わるといわれている。